目次
電子ピアノを購入する3つのポイントをしっかりと確認してから商品を決めましょう

- 鍵盤タッチ
- 音色
- 機能
それではそれぞれのポイントを解説してみます!
鍵盤タッチの重要性

鍵盤タッチは電子ピアノを決める際に一番重要視する部分です。
これは仮にピアノ教室でレッスンを受けるという場合にはグランドピアノもしくはアップライトピアノを弾きます。
その時に鍵盤の重さにビックリしますよ。
電子ピアノの価格差の一つとしてこの鍵盤タッチが大きな差を生み出しています。
グランドピアノ・アップライトピアノで使われる鍵盤
まずは、電子ピアノの鍵盤タッチを解説する前にアコースティックピアノの鍵盤の構造をおさらいしてゆきます。
各メーカーはグランドピアノの鍵盤タッチに近づけるように製品開発をしています。
グランドピアノについてはYAMAHAとKAWAIのHPから抜粋しました。
YAMAHAとKAWAIにはそれぞれコンサート用で使用される1000万円以上のプレミアムピアノがありますが、今回参考にしたのは100万円代で購入できるグランドピアノを参考にしています
ピアノの白鍵表皮の材料としてはその硬度や吸水性から象牙が、また黒鍵用には黒檀がそれぞれ最高のものとされていましたが、動物保護の観点から象牙の採取が出来なくなり、その代替え品を現在のアコースティックピアノでは採用されています。
鍵盤(白鍵)アイボライト
鍵盤(黒鍵)黒檀調天然木
参考URL: facebook yamahaページ
鍵盤(白鍵)ファインアイボリー白鍵
鍵盤(黒鍵)ファインエボニー黒鍵
参考URL: KAWAIニュースリリース
YAMAHAの鍵盤

電子ピアノを世に送り出してから36年目を迎えたYAMAHA
新しい製品を出すたびに音色や発音数、材質など進化を遂げてきていますが、トップブランドらしくラインナップの豊富でそれぞれの価格帯に応じた製品仕様がわかりやすいですね。
では、鍵盤タッチについて見てみましょう
最上位機種 38万〜67万円
上位機種仕様に加えてカウンターウェイト搭載 CLP-685, CVP-709
トップモデル機種 29万〜40万円
グランドタッチ鍵盤 象牙調・黒檀調仕上げ、エスケープメント付き
ミドルモデル機種 22万〜33万円
ナチュラルウッドエックス(NWX)鍵盤 *1
エントリーモデル機種 17万〜26万円
グレードハンマー 3 エックス(GH3X)鍵盤
参考: クラビノーバカタログより
グランドピアノの鍵盤には、ハンマーなどのアクション部分とバランスを取るためのおもり(カウンターウェイト)が付いています
CVP-709、CLP-685/585の鍵盤では、このカウンターウェイトを搭載しておりますさらに88鍵リニアグレードハンマーにより、88鍵盤すべてのバランスを細かく調整することで、ごく弱い繊細なタッチでの演奏性を高めています
グランドピアノでは、ごく弱い力で鍵盤を押しこんだ時に、鍵盤が下がる途中でわずかな手ごたえを感じます
これは、打鍵後にハンマーが弦の振動を止めずに速やかに離れる仕組み(エスケープメント機構)が搭載されているためですよりリアルなグランドピアノのタッチ感を再現するために、エスケープメントのわずかな手ごたえを、鍵盤機構に搭載しております
グランドタッチ鍵盤
白鍵にむく材を使用し、3つのセンサーを搭載した木製鍵盤です。
ただし、構造はNWX鍵盤と大幅に変化しており、より反応性の高いタッチ感と、強弱の幅をつけた演奏が出来るようになりました。鍵盤の手前から奥まで、自然でバランスのとれた弾き心地を得られるようになり、これまで以上に正確なリズム、スムーズなメロディーの表現が可能になりました。
NWX鍵盤
白鍵部分にアコースティックピアノと同様に、一枚板から切り出したむく材を使用した木製鍵盤を採用
ヤマハ独自の第3のセンサー「ダンパーセンサー」を鍵盤ごとに搭載したことで、音切れすることなしに高速の同音連打ができるという、グランドピアノでしか実現できない演奏が可能です。低音部分は重く、高音部分は軽くといった音域によってタッチ感の違いも忠実に再現しています。
KAWAIの鍵盤

KAWAIもYAMAHAに並ぶ世界的なピアノメーカー
この両社がいたからこそ日本のピアノ文化が根付いてその後中国、韓国などのアジア圏から世界的なピアニストが送り出されたのではないかと思っています。
ピアノを知り尽くしているKAWAIだからこそプライスに見合う製品を出していますね
私の妻の実家にもKAWAIのアップライトピアノが置いてあるので、個人的には少し気になるメーカーでもあります(笑)
ではKAWAI製品の鍵盤タッチを見てゆきましょう
トップモデル機種 30万〜45万円
シーソー式木製鍵盤 グランド・フィール・アクションⅡ
アイボリータッチ、エボニータッチ、レットオフ・フィール、カウンターウェイト
ミドルモデル機種 20万〜25万円
シーソー式木製鍵盤 グランド・フィール・スタンダード・アクション
アイボリータッチ、レットオフ・フィール、カウンターウェイト
エントリーモデル機種 13万〜19万円
レスポンシブ・ハンマー・アクションⅢ
3つのモデルの鍵盤タッチですが、動画にして解説しています。
鍵盤タッチの魅力を伝えるあたり、KAWAIのピアニストに対する想いが伺えますね
CASIOの鍵盤

光る鍵盤など画期的な電子ピアノを発表し続けるCASIO
今我が家にあるキーボードもCASIOのHIKARI鍵盤です。 子供がピアノを弾き始めるきっかけを作ってくれた楽器メーカーでもありますね!
上位機種 29万〜39万円
ナチュラルグランドハンマーアクション鍵盤(木製鍵盤)
C.ベヒシュタインのグランドピアノの鍵盤と同じ木の素材である良質なオーストリア産のスプルース材を使用
GP-500BP GP-300BK
3センサースケーリングハンマーアクション鍵盤II
象牙調・黒檀調鍵盤
打鍵の検出から発音までの時間を強さに応じてコントロール。弾き終わりで発音させる。
3つのセンサーが順番に打鍵を感知するシステム打鍵の検出から発音までの時間を打鍵の速さに応じてきめ細かく変化させることが可能に。またこのセンサー方式は鍵盤を戻しきらなくても連続して発音可能なため、優れた同音連打の演奏性も発揮
- CELVIANO Grand Hybrid GP-500
Rolandの鍵盤

Rolandは私にとってはMIDIとの出会いからシンセサイザーやドラムマシーンなど様々な電子楽器では世界的に有名な企業のひとつです。
楽器の展示会などではYAMAHAとROLANDの2社がかなりの規模で展示しているので、認知度は高いメーカーです。
上位機種 15万〜55万円
PHA-50鍵盤 ハイブリット構造(木材x樹脂センターフレーム)、エスケープメント付、象牙調・黒壇調
エントリーモデル 6万〜21万円
PHA-4 コンサート鍵盤 エスケープメント付、象牙調
- PHA-50
鍵盤タッチまとめ
各社それぞれグランドピアノに近づけようと日々開発をつづけているのを感じられます。
コストパフォーマンスを考えるとRoland製はエントリーモデルとも言えるDP603が15万円代で購入できるのは鍵盤だけをみると一歩先に行っている感じはします。
しかし、KAWAIやYAMAHAのラインナップは細かいニュアンスまでも自社で生産しているグランドピアノにより近づけるように開発研究されています。 YAMAHAに至ってはグランドタッチ鍵盤にたどり着くまでに20年がかかったと言われていますので、本気度が高いですね。
CASIOはベヒシュタインと共同して電子ピアノ事業を展開しており、これからの本格電子ピアノ産業に加わることでより市場が活性化されると言えるほどの仕上がりでした。
最後は購入される方の判断にはなりますが、どのメーカーも同じでない鍵盤タッチを感じることが出来るでしょう
音色を決めるデジタル市場

続いてみてゆく点は音色。 電子ピアノはピアノの音だけでなく、オルガン、エレピ、ストリングスまで様々な音を出すことができますが、そういった音色はシンセサイザーに任せるとして、今回はグランドピアノの音を比較してみたいと思います
YAMAHAの音色
多彩な音色変化、豊富な倍音の響きを持ち、国際コンクールの舞台でも活躍するヤマハ「CFX」 “ウィンナートーン”の代名詞とも言われ、うるおいのある高音、深みのある中音・低音が特徴のベーゼンドルファー社の「インペリアル」。この豪華な2つのピアノの音色が1台で楽しめる
まずはYAMAHA CFXのサウンドを聞いてみよう忠実にサンプリングされた音を聞くとより分かりやすいですよね。
YAMAHA CFXの音色が再現されています
CLP-600 ベーゼンドルファーサウンド
KAWAIの音色
KAWAIの自社製品であるコンサートグランドSK-EXに近い音色をオンキヨー社と共同開発
音の解像度をより高める1ビットプロセッシング、ピュアでノイズの少ない音質を実現するDIDRCフィルター、ヘッドホンの高音質化を実現するアンプモジュール Discrete SpectraModule、スピーカーの高音質化を実現するプレミアムアンプなど多彩な技術を投入、原音に忠実で、かつハイクラスオーディオに迫る高音質な再生クオリティを実現しました。
1ビットプロセッシングとは何かというとPCMなどの一般的なデジタル音源とは違ってよりアナログに近い音になります。
詳しい解説はこちらにありました
- オンキヨーテクノロジー
CASIOの音色
CASIOはC・ベーゼンドルファーと共同開発したCELVIANO Grand Hybridは海外のアーティストからも信頼を受けている本格的なサウンドになっています。
動画コンテンツが充実しているCASIOサイトは購買意欲が湧いてきますね!
Rolandの音色
では、2つの全く異なるピアノ・モデルを搭載
やわらかく、あたたかみがあり、上品で艶やかな表情を持つ「ヨーロピアン」
繊細で煌びやかなサウンドかつ華やかなダイナミクスさを持つ「アメリカン」。
1台のデジタルピアノで、ローランドが理想と考える2つの世界クラスのピアノの演奏を楽しめます。
さらにピアノデザイナー機能を使えば、音色のカスタマイズも可能です。
ヨーロピアンサウンド
アメリカンサウンド
音色まとめ
各社の動画コンテンツをまとめていると、どのメーカーも音色の違いがあり、曲によって合う、合わないがあるんだなぁと感じました。
動画コンテンツをみてみると鍵盤が戻ってくる感じがグランドピアノに近い感じを受けました。
とにかく音がどのメーカーもいいですね。
私個人ではCASIOの海外の人たちのコメントがとても良かったです。 ピアノってヨーロッパの人が使って奏でるというのはなんだかしっくり来ました(笑)
電子ピアノならではの機能

私が持っていた頃はBluetoothという規格がまだなかった頃だったのですが、最近では無線で飛ばすというのが当たりまえになってきていますよね。
その機能の他にも各社特徴のある機能を揃えていますので、みてみたいと思います
YAMAHAの機能
CVPシリーズはピアノルームやコンサートモードなど楽譜も表示してくれる見やすい液晶が特徴です
CLP/CSPシリーズではスマートフォンやタブレットを使って「スマートピアニスト」で音作りやアンサンブルも可能になります。
アコースティックピアノからエレクトリックピアノなどの弾きたいピアノの種類や、ホールや大聖堂などの音の響きに特長のある演奏空間の設定を直感的に選ぶ事ができます。
レイヤー機能で音色を重ねたり、スプリット機能を使って左右の鍵盤で異なる音色にしたり、複数の音色を使って楽しく演奏できます。
またトランスポーズ(Transpose)、チューニング(Tuning)、ペダル(Pedal)、などの機能をタッチスクリーンから簡単かつ直感的に設定することができます。
KAWAIの機能
KAWAIは比較的機能は限定的ではありますが、ピアノの音色という一番根幹となる部分の編集を行うことが出来ます
CASIOの機能
CASIOはCELVIANO/PriviaラインナップにはYAMAHAやKAWAIと似た機能をもっていますが充実しているとは言えません。
ひとつ挙げるとすると、コンサートプレイです。
収録したオーケストラの臨場感ある生演奏をバックに弾くことで、まるで共演しているような気分を味わうことができる機能
また、スマホやタブレットに接続して演奏の練習ができるChordana Play for Pianoがあるので、楽譜を表示したりMelodicsのようなピアノロールが落ちてきて演奏するなんてこともできます。
- Chordata Play for Piano
Rolandの機能
「Piano Designer」
アコースティックピアノと同じように、音程や音量、音質、大屋根の開き具合、弦やキャビネットの響きなどの状態を、グラフィカルな画面で、わかりやすく調節することができます。著名な調律師によるジャンル別の調律を、デジタルピアノ本体に設定し、楽しむことも可能です。
というアプリを使ってピアノ音色を調節する各セッティング(大屋根、弦、ハンマーなどの状態)を一目で確認、ピアノ本体に簡単に設定ができます。
著名な調律師が調律し、つくりあげたピアノ音色を一覧から選び、お好みの音色をピアノ本体に設定、演奏を楽しむことができます。
ピアノの鍵盤88鍵、一鍵ごとの音程、音量、音質を、グラフで確認しながら設定ができ、大変便利です。
- ピアノ・デザイナー画面1
- ピアノ・デザイナー画面2
- ピアノ・デザイナー画面3
- ピアノ・デザイナー画面4
- ピアノ・デザイナー画面5
機能のまとめ
電子ピアノの利点としてアンサンブルができる機能がありますが、実際にやってみると意外とスキルが必要になってくることが分かってきます。
また、音作りですが、CASIOのようにあらかじめ3つの音色といったようにプリセットされている音色だけでなく、自分でチューニングというアナログ的な機能を取り入れるのは楽器メーカーとしてのプレイヤーへの願いでもあるかもしれないですね。
おすすめの機種

これまで3つの機能を中心に各メーカーの特徴を見てきたけど、音色はどのメーカーもかなりのこだわりを感じてどのメーカーにしようかなと迷いますね。
厳選した中でオススメの機種を以下に紹介します!
YAMAHA Clavinova CLPシリーズ

YAMAHAは今回グランドタッチ鍵盤ではない最上位機種であるCLP-645にしました。微妙なタッチが求められるのは普段グランドピアノを演奏している人向けの製品なので、そうではない人向けの最上位機種がいいのかなと。
KAWAI CAシリーズ

KAWAI製品はCA78がオススメとしてあげました。
理由としてオンキヨーのテクノロジーが搭載された1ビットプロセッシング音源が搭載された音質はKAWAI好き人向け製品です。
CASIO APシリーズ

CASIOは迷いましたが、GPシリーズとAPシリーズの価格差が10万円以上も開いているので、Air Grand音源が入っているAP-700を選びました。
Roland HPシリーズ

フラッグシップモデルのLXシリーズとの差はデザインとスピーカーの数かなと思いますが、HP605でも6つのスピーカーを備えているので充分かなという印象でした。
電子ピアノについてのまとめ
これまで4社の電子ピアノを見てきましたが、どれも好みが最終決断になると思います。
- ブランド力
- 継続性を持たせてくれるデザイン
まずはブランドですが、ピアノの中央に刻印されているブランド名のロゴを毎日見ることになるので、いくら音色が好きでもピアノメーカーでもあるYAMAHAとKAWAIのロゴがないとちょっと違うなとイメージする人もいます。
Rolandは電子楽器を扱って30年以上の歴史があるので、電子ピアノのロゴがRolandでも違和感のない人もいると思います。
CASIOは電子楽器を作ってはいましたが、電卓を作ったりG-Shockなどの時計なども手がけるグローバル企業ですが、楽器というイメージがマッチしませんでした。 しかし、Grand HybridシリーズにはC・BECHSTEINが光輝いているので、これによってブランド力が高くなってきた印象があります。
- YAMAHA
- KAWAI
- Roland
- CASIO
最後にデザインはとても大事です。
自宅のかなりのスペースをとるピアノなので、他の家具と違和感がないデザインを選びたいですね。
RolandのLXシリーズなんかはアップライトピアノにより近いデザインですし、CASIOのGrand Hybridシリーズなんかは自宅に置いておいても存在感が充分あります。
YAMAHAとKAWAIは長年変わらないデザインですが、安定していて信頼感が高いです。
どれも一長一短があるので、楽器店などを訪れて音の感じ方を確認してみましょう!
はい、それでは今年のおすすめの電子ピアノを紹介しま〜す!
私が電子ピアノを購入したのは2004年だったので、そこから15年もの月日が経過していますが、ピアノの音源自体は当時と比べても劇的に良くなっているわけではないと感じますが、それでも各社のシュミレーションされたピアノの音は洗練されています。
CASIOはC. ベヒシュタインとのコラボレーションで誕生したCELVIANO Grand Hybrid
YAMAHAは相変わらずの最高峰コンサートグランドのCFXの音色を搭載
Kawaiも負けてはいないフルコンサートグランドピアノ「SK-EX」のモデリング
Rolandはデジタル機器においては第一線のメーカーが自信を持って世に送り出した理想の電子ピアノ
どのメーカーもそれぞれの特徴を備えているので、くまなく紹介してゆきます。