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そのままの音声ファイルでも良かったのですが、DAW(REASON)を使ってエフェクトを加えてみました。
前回はiPhone6から録音する方法をご紹介しましたが、Macにインストールした後に音声処理を行う方法をご紹介します。
まずは編集済みの音声ファイルはこちらになります。
おこなった編集作業は以下の通りになります。
- 無音時、入力前のノイズを削除(マニュアル作業)
- C670のコンプレッサーをインサート
- MClass EQをインサートして不要な部分の削除
- RV7000 mkII Reverb(Plate Reverb)を軽くかける
シーケンサー画面で不要部分の削除
言葉と言葉の間の無音時部分などは不要なので不必要な箇所はどんどん削除してゆきます。 今回は録音時にゲートをかけているので、すべて削除しないで木になる箇所だけを修正しました。
黄色の箇所がオリジナルで、オレンジ色が編集後の音声ファイルになります。
また、黄色のシーケンサー部分の声が入る前に波形が飛び出ている箇所はリップノイズでこちらは編集することで削除することができます。

編集する音声ファイルにエフェクトを追加して音を整えてゆきます。
コンプレッサーC670で入力時のバランスを整える
コンプレッサーの一般的な用途として音の大小をまとめるという役割です。

ほとんどのコンプレッサーにあるパラメーターとしてThreshold(スレッショルド)があります。
設定したスレッショルド値に応じて音を潰してゆきます。潰すと音の大小が均一になってゆきます。 しかし、大きな音を潰してゆくので、総合的に小さくなります。その補正の役割としてOut(アウトプット)で音を持ち上げます。
C670はこの2つのパラメーターの他に”Time Contatnt”というパラメーターがあります。 こちらはアタックタイムに近い考え方になります。0ですと、温かみがなく硬い音となり、10だと暖かい音となります。ドラムのスネアなどの音には効果的です。
しかし今回は声(ナレーション)なので、6あたりに設定をしました。
コンプレッサーの詳しい説明はMclass Compressorでご紹介していますので、こちらもご参考にしてください。
C670はReasonを購入した際にスペシャルバンドルとして付属していたものですが、McDSPというプラグインメーカーから販売されているので、どのDAWでも利用できそうですね。
EQを使って不要な周波数帯域を削除する
オリジナルの音声ファイルの周波数帯域の分布図(スペクトラル)になります。80Hz以下に少し波がありますが、こちらはマイクが不要な部分の音を常時拾っていることを表します。 1つの音声ファイルだけであれば、それほど問題にはなりませんが、複数のトラックを重ねてゆくと次第に不快な音となってきます。
また人の声は一般的に100Hzから800Hzまでとなるので、下記のスペクトラム図をみるとそのあたりが持ち上がっているのがよく分かります。 1.3kHz〜5.1kHzあたりもレベルが高くなっていますが、こちらは倍音をマイクが拾っているのでこのような値になります。
*倍音については別ページにてご紹介します。

今回はLo Shelf、Hi Shelfを使用して低い周波数、高い周波数部分をカットしました。
今回は男性(私!)の声なので、156Hzあたりと5KHzの部分からカットしています。

すると以下のような結果になります。
80Hz以下の周波数帯域は綺麗にカットされています。

Reverb(リバーブ)はうすめにかける
Reverbを加えた理由は雰囲気をリッチにするためでした。
ルームリバーブやホールリバーブをかける事もあるようですが、
ナレーションということもあり、プレートリバーブ(Plate Reverb)を選択しました。
プレートリバーブは鉄板エコーともいい、音を鉄板(バネ入り)に当てて反射した音を録音したところからこの名前が付いています。
反射した音が比較的綺麗に伸びるリバーブが特徴です。

リバーブは通常AUXという別系統から付け加えます。
直接音声ファイルにかけることもありますが、AUX(FX Loop)からトラックにリバーブをかぶせるのに有効な方法です。
AUXはリバーブだけでなく、ディレイやコーラスなど主に空間系エフェクターと呼ばれるものに利用する事が多いです。

今回の場合には約-30dB程度(15%)と少ししかエフェクトがかかっていないので、聞こえ方によってはまったくかかっていない
という場合もありますが、言葉の最後の方にすこしだけ残響音が聞こえてくるかと思います。 そのくらいうすめにかけました。
それぞれの編集、設定を終えてバウンス(エキスポート)したのはこちらです。
明らかに分かるところとして、リップノイズがなくなっているところと、無音時のノイズが消えているところです。
また、声がオリジナルと比べて均一化されていることも確認いただけると思います。
コンプレッサーなどの効果は明らかに分かるわけではありませんが、音が重なってゆくに従って大事な部分が埋もれてしまう
可能性もあります。
作業時間や持っている機材にもよりますが、Mixするのにはとても時間がかかります。
お任せできるところは私にお任せ下さい。
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